グースネックはこんな感じでシャフトの延長線よりフェースが後ろにあるヘッドのことです(簡単に言うとね)
優しいウエッジ、包み込むようなイメージが沸く、ミスに寛容などいろいろ特徴があるのですが、このグースのヘッドの特性が色々と違う方向で解釈されているので一度整理してみようかと思いますm(_ _)m
①グース=ダウンブローに打ちやすい?
という話から。
グースネックはポンと構えるとヘッドが後ろにあるために、ヘッドが後から入ってきてターフを取れやすい~~~~~~~~~~
みたいな話がりますが、チョット無理がある話です(´・ω・`)
静止した状況からまず考えてみましょう。フェースの形状変化でボール位置が後退したとして考えても、シャフトが垂直である限りダウンブロー軌道にはなりません。
ただし。スイング中の関係性を考えたとして、ものすごーーーーく細かく話を広げると、確かにグースは最下点の位置が変化します。。。。。します。しますが。。。
仮にフェースが3mmグースしたヘッドが描く軌道は
真下に3mmズレるわけじゃない
↑これを勘違いしちゃいけません。
後方3mm変化から起きる最下点の変化をスイング円に当てはめて数値化すると。。。。。。。
何ミリになるのかわかりませんがw適当に1mmと考えておきましょうw
下方1mmの変化でターフが取れる取れないという変化は非常に無理がある話で、ミスを許さないベアグランドのような状況であれば話は別ですが、通常の芝の上であればソールが滑る圧が強くなる(土が飛ぶレベルの話ではありません)か、芝が数本多く飛ぶ程度の差(目で見て分かるレベルでもありません)という事で、『ターフ』『ダウンブロー』と言う表現には無理があります。
またインパクトの状況で、遅れてボールにコンタクトするグースネックは言い換えると
=シャフトが先行するという事
この話を超絶分かりやすくする為に
鬼グースネックがあったとして考えますが
この鬼グースヘッドがインパクトを迎えた場合、シャフトがどこに傾くかわかる?と考えれば即効で分かる話
せいかいは。
ここです。
ここはインパクトのシャフトが垂直よりも寝ているのでのでロフトも当たり前寝(増え)ます。
それなのに
ヘッドが後退しているから低く出る~という事はこういう感じ
シャフトどこ向いてんだ(´・ω・`)
って話。そんでもってインパクト前にシャフト地面に刺さってるよ(´・ω・`)。
例として鬼グースでの説明でしたが、理解はしやすいかと。。。。
②フェースが遅れるから捕まる?
という考え。うーn。フェース位置が後ろだからまぁそうイメージしやすいのですが。。。。そうじゃない。
フェース位置での飛びの作用なんて重心の作用に比べたら全く話にならないレベルでほぼ『無』と捉えていいほどです。
数ミリのグースの度合いで目に見えるような左飛びが生まれるという理屈だと、この小さなスペースでフェースがロールするぜ!
という考えになりますが、仮にそのハイペースでフェースローテーションしてたら
インパクト後50センチでは手首がねじり切れてしまいます(´・ω・`)
実際の捕まりやすさに作用しているのは
重心角です。
遠心力が強く働くインパクトでは支点(グリップ)~シャフト~ヘッド(重心)が
一直線になる為、グースネックの重心位置だと(フェースが後退している形状)フェースが被る訳です。これがグースがつかまるという原理であって、フェースの回転スピードかなんかが急激に加速するわけではなく、
ビュンと振ったら必ずそこに納まるってことです。
とまあ。グースネックの説明をしてきましたが、基本的にグースネックは『上がる設計』なんです。
しかしストレートネック→グースネックに買い換えたユーザーの多くの声に
出球が強くなる
低く飛び出す
という意見が大量に存在します。
これがなぜなのか?
サクっと話を終わらせると
=今まで開いて当たってたんだよ
という事。本当にこのパターンが多いです。
ウエッジはエネルギーがロフト方向(↑)に逃げ易いクラブです。だから飛ばないわけですが
ここから更ににロフトを足す形でフェースを開いていった場合
フェース通りの右には飛びません。
開いたフェースであっても、右飛びのエネルギーは伝わらず、シャフトを振り抜いた方向が強く優先されます。
開いていてもフルショット多様のクラブではないため距離の変化も気づきにくい。ましてやアプローチ程度の話ならなお難しい。プレーヤーはほぼ一生気付きません。
で、この常に開いてコンタクトしているプレーヤーが、グースネックにシフトした場合、開いていたインパクトがグースの重心角によって相殺されます。
↑ここ重要。
常に開いている人はグースで左に飛ぶんじゃなくて
正しい方向に修正されるんです。
これにより、今まで開いて逃がしていたエネルギーが振り抜いた方向と一致するために 球が飛んだり 強く出るんです。
このようにグースが捕まる、左に飛ぶ、強く出る、という惜しい誤解を生んでしまうのですが、本人が振っている方向(シヤフトの軌道)は変わらないんです。
そんでもって、
時代背景によるグースネックの勘違い
の話もしておかないといけません。
80,90年代に日本ツアーでグースネックが流行り、当時は上からカツっと当てて低く止めるギュギュッとスピンの全盛期でした。
これにより、グースを使いこなすプロがその打ち方だから、ソレがベストなんだ!とアマチュアも真似をし、そのニーズに応えてレッスンビデオなどでも大いに取り上げ 結果として
グース+ダウンブロー=ギュギュっとスピン みたいな構図になってしまいました。。。。
しかし長々と説明してきたように、グースネックは低く出す構造は備わっていません。
が、当時の圧倒的なギアの違いを考えれば話の出口が見えてきます。
当時の状況↓
激スピン系ボールが存在したこと
角溝が禁止されていない時代であった
こんなもの組み合わせたら鬼に金棒だから禁止されたわけでwこのなかの溝を失った今の時代に、昔のグースネックの弾道をイメージしても無理なわけです。
こんな感じで、ギアの変化や時代背景をよく見れば
そんなルールあったな!
そんな打ち方してたな!
と思い出すのですが、それを置いといて最新クラブが常に進化を遂げていると思い込むから話が散らかりますし、その時代を経験していた人間が令和の時代にそのままタイムスリップして話を説明してしまうからわけのわからんクラブ性能がひとり歩きしてしまいますw
溝規制があるのは=スピン性能
高反発規制は=飛距離
簡単になりすぎたから線を引かれるわけでちゃんと意味があり、その線を引かれた後にメーカーはいろいろな開発を繰り返していきますが、
更なる規制かけられていないことを見れば、当時のスピン量よりも劣ってしまうのは当たり前と線を引くべきです。
道具の進化によってこの差もかなり埋まりつつありますが、組み合わせる事で埋まりつつあるのに、ギア×ギアの組み合わせを間違えるとそこにはたどり着かない。 クラブの本当の機能を理解していないと、何度買い換えても『思い込み』で終わってしまいますm(_ _)m